※本記事はReadableのタイアップ記事になります。
分野による違いはあると思いますが、研究者が読む論文はその多くが英語です。「英語が元々苦手、、、」「英語は勉強したくない」という人も結構いるのではないでしょうか。厳しい研究室ですと四の五の言わずに英語の勉強をしろと言われることもあるかと思いますが、言語の勉強はどうしても得手不得手があるとは思います。医学生時代にも、医学の勉強にかけてはとびぬけて優秀なのに、英語に関しては全く苦手、という友人もいました。
私は英語を使ったり読んだりするのは好きなほうなのですが、それでも慣れない分野の内容やかなりの量を読むとき、疲れた時には英語を読むのは辛いことがあります、、、。
そんな時にぜひ役立てたいツールが今回紹介する"Readable"です。
なんとページの構成をそのままに文字のみ置き換えるという機能があり、図表を含むような文献であっても、いちいち細かく見比べたりする必要がありません。日本語の論文を読むときのようにテンポよく流れに沿って読める点は他のツールにない大きな利点と言えるでしょう。
なお、公式サイトのリンクはこちらです↓
https://readable.jp/
では、実際に使い方を見ていきます。
基本の使い方
pdfをアップロードして構成そのままに読める機能というのはReadable Proで使うのが基本となってきますので、有料プランのReadable Proを中心に見ていきたいと思います。
基本的に①pdfファイルをアップロード>②翻訳処理>③ダウンロードという流れになっています。
まずはpdfを使ってアップロードしてみましょう。Readableのトップページより「アップロード」ボタンを押すか、ドラッグ&ドロップでファイルをいれます。

そうすると翻訳中、、としばらく表示された後、翻訳結果がすぐに出てきます。

ここでダウンロードを押すと翻訳されたPDFが表示されます。サイトにも書いてある通り日英交互表示のPDFがオススメです。というのも論文などですと、専門用語の日本語訳が定まっていなかったりする場合もあります。そのため、両方を確認できると便利だからというところです。
ステップとしてはめちゃくちゃ簡単ですね。
そして今はGoogle Chromeの拡張機能も存在しています。これはネットで論文検索して開いたpdfをブラウザ上で構成そのままに翻訳して表示できるというスグレモノです!
このアップロードでの表示と同じように交互表示になっていますので、検索してすぐ日本語を知りたいという時には、かなり便利だと思います。
Zoteroユーザーにオススメの使い方
ちなみに当ブログで推しているZoteroを使っている場合はZoteroライブラリのpdfを直接ドラッグ&ドロップすることでもできます。Zoteroとreadableのブラウザを表示して、赤矢印から赤矢印にドラッグ&ドロップです。

さらに翻訳結果の日本語pdfをZoteroライブラリのアイテム内に入れておけば後でいつでも参照できるので、この使い方はオススメです!
Zoteroについて詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。
実際に使用してみる
では、実際に論文などで使用してみた例を見ていきたいと思います。
①研究論文とレビュー
一番メインで使われる用途だと思いますので、いくつか見てみたいと思います。
まず必要なのに長すぎて読む気力のなくなってしまうレビュー記事をやってみましょう1。
レビューってその分野について学びたいときにはカバー範囲が広くて便利なのですが、100ページ近くなってくると、英語好きであっても通読するのが辛くなってくる時がありますよね。Readableは100ページ、50MB以内であれば使用可能!ということで長い論文を試してみました。

こちらのレビューは全50ページほどの長文で、ブラウザですら開くのが重かったんですが、結構短時間で処理してくれました!そして段落や構成も見事にできあがっています。

また図表もいい感じに処理されています。図に画像として埋め込まれているテキストまではさすがに変えられませんが、legend(figureの説明部分)まできちんと変更されているのはいいですね。
通常の研究論文も種類を問わずきれいに処理できます。こちらは臨床医学系の観察研究の論文です2。

臨床医学論文でよくみられる「患者特性」の表は一部読み取りが可能なテキストが変換されています。用語や細かい点が分からなければ右側の英語と比べると良さそうです。
論文独自の定義やマイナーな専門用語はどうしても翻訳の限界がありますので(これはどのソフトやAIを使っても同じだと思います)英訳と比べて定義を把握するのが良いと思います。

②専門洋書
そして、個人的に使ってみたかった用途として洋書専門書も試してみました!
より体系的に深い知識を得ようと思うと専門書が良いことも多々ありますが、英語で全部通読するのは辛いところがあります。専門書はなかなか邦訳されていないものも多いですし、しかも書籍ですとページ数も多いので論文のように少しずつコピペしたりするのは大変です。そこでreadableの出番です!
今回は因果推論の名著として名高い"Causal Inference: What if"という本について使ってみました3。オンラインで無料でダウンロードできるようになっていますが300ページ以上あり読むのはなかなか骨が折れます。
ページ数が多いものについてはまずPDFを分割して100ページ以内にしてからアップロードします。
この分割作業は昔はツールやプログラムで処理していましたが、今やChatGPTに頼めば下図のように軽々とやってくれます。

というわけで分割できたファイルをreadableに投げ込んでみます。

素晴らしいですね!書籍も同様に構成をそのまま翻訳できました。これなら読むのがかなり楽になるのではないでしょうか。
数式も概ね処理できていましたが、文章と数式が混在するようなパートですと時折表記の乱れが生じています。ただ、全体からみるとごく一部ではありますので、原文と比較しながらみることで解消できるのではないでしょうか。
Readable Proの料金
さて、気になる料金ですが月額980円、年払いで年間9800円(四捨五入で月額817円)となっています。
なんと今回はタイアップ記事ということで初回利用時の無料体験1週間+追加で4週間=合計5週間の無料利用が可能となっています。クーポンコードは以下ですので、ぜひご利用ください。
クーポンコード: " Tosuke02 "
続いて、この料金を踏まえて自分が今まで使っていた翻訳の方法と比較してみたいと思います。
既存の翻訳方法との比較
自分が実際に翻訳ツールとして今まで使ってみたものの感想を利点と欠点を踏まえて書いてみます。
- ChatGPT 4o
現在大規模言語モデルのAI主力としてよく使っています。文章のコピペやファイルのアップロードで翻訳をさせることができます。精度はある程度いいのですが、コピペの場合、手間がかかるのとページや段落を超えてコピペする際に不要な文章まで入ってしまうことが多々あります。また、ファイルをアップロードして行う場合はうまくいかないことがほとんどです。恐らくはpdfファイルの構造の難しさゆえにうまく読み込めていないことが関係していると思われます。
利点:多言語対応、分からない内容について質問できる、一定量までは無料
欠点:手間がかかる、PDFファイルのアップは処理の段階で失敗することも多い - Google translate+Zotero plugin
Google翻訳は幅広く色んなツールで使用できるようになっており、特に論文管理ソフトZoteroではプラグインを使用することで簡単に利用できます。読んでいる論文のpdf中で気になる文章を選択するだけで翻訳された文章が表示されます。単語単位でも気になるものは表示できるので、ちょっとした内容であれば手軽に使えます。ただ多くの場合、文脈を十分に考慮できていないため精度がやや低いのが難点です。
ちなみにプラグインのリンクはこちらです。
"Translate for Zotero"
https://github.com/windingwind/zotero-pdf-translate
利点:スピーディー、論文を読みながら楽に使える、無料
欠点:長文は難しい、翻訳精度がやや低い - DeepL
超有名どころの翻訳ツールです。無料版ですと字数制限がありますので、文の一部をコピペしながら見るような使い方をしていました。ただこれはやっぱり面倒ですね。ChatGPTなどLLMのように追加で質問もできるという付加価値があれば使うのですが、それもないので利用頻度はどうしても落ちます。なお、有料版ではpdfのアップロードもできますが、月額1150円のものですと、1カ月に5ファイルまでの制限があるようですので、その点はreadableは太っ腹だなと感じます笑
利点:精度が高い、多言語対応
欠点:無料版では手間がかかる、有料版でもアップロード数の制限がある
ここまでのツールと比較してみますと、「豪快に長文を一気読みできること」「図表も含めて構成を崩さずに読めること」「制限なくストレスフリーに使えること」がReadableならではの一番の利点になるのではないでしょうか。
まとめ
今回は英語が苦手でも論文から洋書までPDFを圧倒的に読みやすくするツール"Readable"を紹介しました。
研究者たるもの英語と向き合う必要性が高いと言えますが、母国語が日本語である以上、難解な内容を読む際にまで常に英語を使い続けなくても良いのではないでしょうか。そんな時に自然に読めるツールとしてオススメできるのではないかと思います。
どこかでこうした言語翻訳ツールや手法についてはまとめてみたいと思いますので、またぜひブログ・YouTubeをチェックしてみてください。
今回使用した論文・書籍
- Limorenko, G., & Lashuel, H.A. (2021). Revisiting the grammar of Tau aggregation and pathology formation: how new insights from brain pathology are shaping how we study and target Tauopathies. Chemical Society reviews. ↩︎
- Cheng, Eric M., Salomeh Keyhani, Susan Ofner, Linda S. Williams, Paul L. Hebert, Diana L. Ordin, and Dawn M. Bravata. “Lower Use of Carotid Artery Imaging at Minority-Serving Hospitals.” Neurology 79, no. 2 (July 10, 2012): 138–44. https://doi.org/10.1212/WNL.0b013e31825f04c5. ↩︎
- https://miguelhernan.org/whatifbook ↩︎
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