複数論文もAIでラクラク処理!GoogleNotebookLMの使い方

情報の理解・整理

研究を進める中で、多くの論文をチェックしていると「この内容、どこかで読んだはずだけど、どこに書いてあったっけ?」と感じることはありませんか? また、複数の論文から特定の情報を集めたいとき、ひとつずつ探して比較するのは大変です。

そんなときに役立つのが"Google Notebook LM"です。

このツールは、複数のPDFファイルをアップロードし、AIと対話しながら必要な情報を抽出・要約できる便利な機能を備えています。 しかも、現在のところ無料で利用可能! 研究者にとって非常に有用なツールなので、今回はその活用方法を詳しくご紹介します。

実際の画面を使った動画解説はこちらで行っています↓(近日公開)

Google Notebook LMの基本の使い方

1. Notebook LMを開く

下記のリンクからまずトップページに飛びましょう。
https://notebooklm.google/ 

Googleアカウントがあればすぐに利用可能です。

「Notebook LMを試す」ボタンをクリックすると、メイン画面が開きます。

2. 情報ソースのアップロード

このツールの最大の特徴は、自分が指定した複数の情報ソースの中から必要な情報を抽出できる点です。アップロード可能なファイル形式の例は以下の通りです。

  • PDF(論文やレポート)
  • プレーンテキスト
  • マークダウン
  • オーディオ

他にもYouTubeのリンクやGoogle driveのdocとも連携できるようです。

「Create New+」というボタンを押して新規のノートブックを立ち上げます。 すると上記のファイルをアップロードする画面が表示されます。

今回は例としてジャーナル指標や引用行動に関する21本の論文をアップロードしてみました。 そうすると左側にソースが一覧表示されます。

これにより、必要な情報を一括で処理できる環境が整います。

3. 情報抽出の実行

真ん中のチャットボックスに質問を入力することで、AIが指定した情報ソースのみから情報を抜き出し、回答を生成してくれます。

例:「インパクトファクターの欠点は何ですか?」(下図)など日本語で入力してもOKです。

このようにAIが複数の論文を横断して検索し、根拠となる引用付きで回答を作成します。さらに、引用ボタンをクリックすれば、それぞれのソースでどの文脈で使われているのかも即座に確認可能です。

論文PDF内のキーワード検索が一般的な方法でしたが、同じ単語が多すぎて目的の情報を探し出すのに手間がかかることが結構あります。しかし、Google Notebook LMではGoogleのAIであるGeminiが検索するため、文脈を考慮してより正確な情報を素早く得ることができます。

Notebook LMの便利機能

情報の整理と抽出

上記のメインの機能です。チャットだけでなく左側のソース一覧では、アップロードした文献の要約やキーワードを確認できます。 また、チェックボックスの操作をすることで、情報ソースの数を調整したり、特定の論文のみを対象にした検索も可能です。

Audio Overview(音声要約)

右側のカラムにショートカットボタンが設置されています。 Podcast風のインタビュー音声を自動生成し、研究内容を耳で確認できる機能です。忙しいときでも、移動中に内容をチェックできます。 ただし、現在は英語のみに対応しています。

年表作成

アップロードした資料から、特定のテーマに関する時系列データを自動でまとめ、年表として表示できます。 Backgroundで研究の歴史をさかのぼるときには大変便利です。

Q&A作成機能

論文をもとにトピックに関わるQ&Aを作成。理解が深まります。

学習ガイド機能

論文の中から重要な質問やヒントを抽出してくれます。主にレポートや研究の理解を深める自学自習をするのに役立ちます。

Notebook LMの欠点

デフォルト言語が英語

便利なツールではありますが、デフォルト言語が英語になっているので、質問する際に「日本語で答えて」と明示しないと、ほとんどの場合英語で返答されます。 文献が英語ということももしかしたら影響があるかもしれません。FAQや学習ガイド、年表機能も基本的に英語で、言語設定のオプションは現在のところ見当たりません。

図表の抽出はできない

文章の検索は得意ですが、 論文中の図表やグラフを取得することはできません。また左側のソース表示でも確認ができません。 恐らくPDFの場合テキスト部分だけを全て自動で抽出していると思われます。基本的には大量のテキスト処理をするためのツールと考えたほうが良さそうです。

利用上限

これはそこまで問題にならないと思いますが、個人ユーザーの場合は利用数の上限があります。 情報ソースは最大50まで、ノートブックは100冊までとなっています。 また、1つのソースにつき最大50万文字の制限があります。通常の論文に対して使う上では問題になりませんでした。 あとは1日あたり50回のチャット、3つのオーディオ生成までとなっています。

研究に活用するには正直十分な範囲ですが、大量のデータを扱う場合は制限に注意してください。

Zoteroユーザー向け:PDFを一括エクスポートする方法

Zoteroを活用している方のために、Notebook LMにスムーズにPDFをアップロードする方法をご紹介します。

1.Zoteroライブラリを開く

2. 必要な論文をワンクリック

3.Shiftキーを押しながら、選択したい範囲の端の論文をクリック
そうすると全部一気に選択されます

4.ファイルメニューから 「PDFをエクスポート」 を選択

5.一括エクスポートしたPDFをNotebook LMにアップロード

これで、複数の論文を一度にまとめてアップロードでき、効率よく情報を抽出できます。

まとめ

Google Notebook LMは、複数の論文や情報ソースから必要なデータをAIが抽出してくれる強力なツールです。利点をまとめてみます。

  • 複数のPDFを一括で検索・要約可能
  • 引用元が明示され、確認が容易なので正確性を高く保ちやすい(もちろん確認は必須です)
  • オーディオ要約、Q&A作成、年表生成など多彩な機能
  • 現在無料で利用可能

研究者にとって、情報整理の効率化は非常に重要だと思います。 論文が集まってきたタイミングで、超オススメなツールですので、ぜひ活用してみてください!

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