関連論文をワンタッチで検索できるChrome拡張機能「論文ツールコネクター」を作ってみた

インプット

研究活動において、論文を検索して開いたときに「この研究に関連する論文をもっと探したい」「この著者の他の研究も見てみたい」と思うことはないでしょうか。しかし、論文のタイトルやDOIを手動でコピペして複数の学術ツールを使い分けるのは、やや面倒です。

そこで今回そんな面倒くささを取り除いてくれるChrome拡張機能「論文ツールコネクター」を作ってみました。

アドレスはこちらです。

論文ツールコネクター - Chrome Web Store
Webページから論文情報を高速抽出し、外部の論文検索ツールと連携。Connected Papers、Semantic Scholar、Google Scholarなど主要ツールへ一発アクセス。

動画での紹介はこちら(近日公開予定です)▼

何ができるのか?

この拡張機能の最大の魅力は、論文ページを開くだけで自動的に論文情報を抽出し、ワンクリックで8つの論文連携ツールにアクセスできることです。

連携可能な外部ツール一覧

  • Connected Papers: 論文間の関係性をネットワーク図で可視化
  • Semantic Scholar: AI駆動の高精度学術検索エンジン
  • Google Scholar: 包括的な学術文献データベース
  • Inciteful: シード論文を起点とした関連文献の一括表示
  • Citation Gecko: オープンアクセス論文に重点を置いた引用ネットワーク
  • Litmaps: 時系列での論文関係性マッピング
  • Scite: 引用文脈の詳細分析(引用先で賛成か反対かの分析も可)
  • Demensions: 助成金や特許の情報と連携
  • OpenAlex: オープンソース学術グラフデータベース

論文のページから直接これらのツールを使えるので引用や関連論文をそこからすぐ探したいときには便利です。

当ブログでもConnected PapersやInciteful, Sciteは紹介してきました。

Sciteは詳細な引用文をみることができ、論文の立ち位置を知る上で重宝しますので、私も課金しています。Incitefulは無料のツールで最近は更新が止まっているようですが、プログラムはしっかりと働いているようですので新しい論文もしっかりカバーされておりオススメです。

インストールと使い方

1.Chrome Web Store(下記)から「論文ツールコネクター」で検索し、インストール

Chrome Web Store
ブラウザに新機能を追加して、ブラウジング環境をカスタマイズできます。

2.対応サイト(下記)の論文ページを開く
3.拡張機能アイコンをクリックしてサイドパネルを開く

4.目的に応じて外部ツールを選択

5.ワンクリックで外部ツールから関連論文の探索を開始

以下の多くの主要学術サイトに対応するようにしていますが、読み込みがうまくいかない場合もあります。その際はまたご報告ください。

主要アーカイブ・データベース

  • arXiv(プレプリント)
  • PubMed(医学・生命科学)
  • Semantic Scholar
  • Google Scholar

出版社・学会

  • IEEE Xplore(電気・電子・情報工学)
  • ACM Digital Library(コンピュータサイエンス)
  • Nature、Science(総合科学誌)
  • JAMA Network(医学)

オープンアクセス・リポジトリ

  • PLOS、MDPI
  • bioRxiv、medRxiv
  • ResearchGate
  • HAL(フランス国立リポジトリ)

設定機能

簡単ですが以下のような設定機能もつけています。アイコンを右クリックして"option"をクリックすると表示できます。

  • 不要ツールの非表示: 使わないツールを隠してスッキリ表示
  • 言語設定: 日本語/英語に対応
  • クリック時の動作: ツールをどう開くかを選択(新しいタブ/現在のタブ/新しいウィンドウ)
  • 使用統計の確認: どのツールをよく使っているかを確認

まとめ

「論文ツールコネクター」は、研究者の日常的なワークフローを改善してくれるChrome拡張です。お気に入りのツールをさっと開くことができるようになるので、余計な手間を減らすことができます。

特に文献レビューや新しい研究領域の調査を行う際には、その威力を実感していただけるのではないでしょうか。無料で利用できますので、ぜひ一度お試しください。

ひとまず自分が使いたいものを作ったというところではありますので、フィードバックやご意見がありましたらまたこちらのブログなどにお寄せください。

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