【2024年版】文献管理ソフトZoteroの基本的な使い方を解説【動画解説付き】

情報の理解・整理

みなさんこんにちは、tosukeです。

今回は無料の論文管理ソフトウェアZoteroの基本的な使い方について
ざっと紹介していきます。

特に使用頻度の多い以下の内容について説明する予定です。

  • 論文の取り込み
  • 論文の整理
  • Wordで論文を書く時の引用方法
  • 注釈のつけ方
  • タブレットでの使用方法

初めて使うという方は是非参考にしてもらえますと幸いです。

また、Zoteroの設定方法について詳しく知りたい方は前回記事をどうぞ。

今回も動画で説明を入れておりますので、必要があればご参照ください。

では見ていきたいと思います。

Zoteroの使い方① | 論文を取り込む

pdfファイルをドラッグ&ドロップ

まずは基本中の基本からです。

pdfファイルをドラッグ&ドロップすることで論文の取り込みができます。 入れるとそのまま文献情報が自動で入りますので、念のため間違いがないか確認します。

Zotfileをアドオンしてある場合は、右クリックしてManage Attachments > Rename and moveで指定したフォルダにファイルを送り込むことができます。

詳しくは前回記事を参照してもらえればと思います。

Zoteroコネクターから取り込む

Google ChromeなどWebブラウザの拡張機能としてZotero connectorというものがあります。

これはWeb上で開いたpdfなどの文献をそのまま取り込める機能です。

例えば論文のpdfを開き、Chromeの場合は右上に出現するボタンを押すと、Zoteroに取り込まれます。ダウンロードしてから移動させる手間が省けますので、非常に楽です。

また、読書好きとしてたまらないのは書籍の情報も取り込み可能という点です。

なお、Amazonで取り込みたい書籍を開いた上で、Zoteroのボタンを押すと書籍の情報もZoteroライブラリにそのまま取り込みができます。

Bibtex/RISファイルから取り込む

また上部にある「ファイル」→「インポート」からBibtex/RISファイルなどの文献情報ファイルを取り込むことも可能です。例えば他の文献管理ソフトで使っている文献情報を取り込みたい場合や、このファイル形式で出力した情報を取り込みたい場合はこちらを使います。pdfを添付する場合は当然別途必要になりますので注意が必要です。

Zoteroの使い方② | 論文を整理する

フォルダのような形やタグを用いて論文を分類したり分けたりすることができます。

コレクション

ライブラリのアイテムを右クリックするとコレクションを新規作成することができます。

やり方は簡単で「コレクションに追加」→既存のコレクション、または「新規コレクション」を選びます。

フォルダのようなものでこれは階層を作ることができ、細分類可能です。コレクションのところで右クリックすると「新規サブコレクション」というのが出てきますので、これでさらに下の階層を作ることができます。ただ実は、フォルダとは異なり重複できるので、複数のコレクションにまたがった分類も可能です。

なお、作ったコレクションはライブラリ画面の左側の列に表示されます。ドラッグ&ドロップで新たなファイルをこちらに追加することも可能です。

左側の列にどんどんコレクションは増えていくので、少ない数にとどめた方が見やすいようには思います。

論文で使う予定のものを集めておいたり、大きなテーマごとに分ける、というのが主な使い方になりそうです。

タグ

アイテムを左クリックし、右側の列にある「タグ」というタブから編集ができます。

タグにはコレクションのような階層がありません。階層性のない属性分けなどで必要があれば使うのが良いでしょう。

なお、設定したタグはメインのライブラリ画面で左下に一覧表示されます。クリックすると指定したタグのある論文を見ることができます。

ちなみにタグはコレクションと異なり、アイテムを一括してタグを登録する、ということができません。一気に複数のアイテムにタグをつけたい場合は、拡張機能を使うと良いでしょう。例えば、Zutiloという拡張機能を使えばタグを一括してつけられます。追加方法はZotfileの時と一緒ですので、前回記事をご参考ください。

Releases · wshanks/Zutilo
Zotero plugin providing some additional editing features - wshanks/Zutilo

Zoteroの使い方③ | 論文にメモする

続いて実際に論文のpdfファイルを開いたときの使い方です。

ライブラリ画面からダブルクリックしますと、論文のファイルが開かれます。

ハイライトや文献内にメモ、図形を書くこともできます。

また、ライブラリの文献そのものにテキストメモをくっつけることもできます。要約や引用したい内容などを書いておくのがおすすめです。右側の列にあるボタン(下図の赤矢印)で文献情報の表示とメモの表示を切り替えられます。

メモは設定画面からhtmlかマークダウン形式で書くのを選べます。どちらでも良いですが、マークダウンの方がサクサクと情報をまとめやすくて好きです。

なお、メモやテキストの構成を作るのに役立つマークダウン形式の基本的な使い方はこちらにもまとめてあるのでご存じでない方は参考にしてください。

リンクやライブラリ内にある文献を引用としていれることもできるので(使い方は先ほどのWordの場合と似ています)、多種多様な使い方ができそうです。

このマークダウンによる充実したメモ機能は以前使っていたPaperpileではできなかったので、良い機能かなと思ってます。Paperpileは単にテキストを入力するのみでした。

Zoteroの使い方④ | 論文に参考文献を入れる

論文での参考文献の文献情報出力と、並び替えたり、同じ文献が出てきた際に、引用番号をきちんと整理してくれる機能です。論文管理ソフトとしては必須の機能と言えるでしょう。

参考文献の脚注・文末注を挿入する

Microsoft Wordでは基本的に自動で対応できるプラグインが組み込まれていますので、Zoteroをインストールしてから起動すると、すぐに引用機能が使えるようになっていると思います。もし自動でできていないという人は公式のマニュアルを参考にしましょう。

Zotero本体では「編集」→「設定」から「引用」のタブを選ぶとLibreOffice用のプラグインインストール画面やWord用の再インストール画面がありますので、うまくできなかったらこちらから再インストールなどを試みるのも手かと思います。

word_processor_integration [Zotero Documentation]
Zotero is a free, easy-to-use tool to help you collect, organize, cite, and share research.

では、私が使っているMicrosoft Wordでの例を見ていきます。

まずWordを開くと上のバーにZoteroという項目が追加されています。

"Add/Edit Citation"という部分を押しますと、引用スタイルの選択と脚注か文末注にするかを選ぶ設定が出ます。

なお、脚注はページの下部に文献情報が追加され、文末注はすべての文書の最後に文献情報が追加されるものです。医学論文であれば通常は文末注ですので、こちらを選んでみます。

OKを押しますと、文献を検索するための検索バーが出現します。

ここに選びたい文献の名前や著者名などを入れて検索します。
候補が出てきますので、当てはまるものを押して、Enterキーを押します。ここで複数の文献を入れたいときは同様に検索して入れたい文献をクリックすればOKです。

そうすると文章中に文献が挿入されます。文献情報はそれぞれの引用の間に新しく文献が追加された場合も、番号が自動的に対応して変化するのでとても便利です。

ちなみに、初めて使ったとき私の場合はローマ数字で脚注が出てきました。こうなってしまうのはワードの方の問題なので、上部の「参考資料」というところで変更できます。

右下の□(下図赤矢印)を押すと、「番号形式」を選択できます。

注の形式が気にいらないときはこちらからまた調整できます。

Zotero側で文献情報を更新した場合

文献の情報が間違っていてZotero側で編集した場合は、「Refresh」ボタンを押せば新たに入った情報に対応するようになります。

たまに文献情報が間違っていたり、変な表記になっていることがあるので、きちんとチェックした方が良さそうです。

引用スタイルを変更したい場合

例えば論文がrejectされて(悲しい)、投稿先が変わったので引用スタイルを後から変更したいということがあった場合は、「Document Preferences」から変更することができます。

最初に引用スタイルを選んだ時と同様にこちらから選ぶと参考文献の情報が一気に変わります。

ただ、先ほど練習でChicago styleからAPAに代えようとしたときにエラーが起きて変更できなかったりしていました、、、。オープンソースである以上時折こういったトラブルも起きえますので、引用形式はあらかじめ投稿先に対応したものをきちんと選んでおくことをお勧めします。

Zoteroの使い方⑤ iPadなどのタブレットで読む

Zotfileを使ってタブレットでZoteroの論文ファイルを読み、注釈をつけ、それをライブラリに同期する方法です。

まずはZotfileを使ってtablet settingをしておきます。こちらは前回の記事に書いてありますので、設定されていない方はご参照ください。

実際のやり方としてはまずタブレットで読みたい論文を選び、右クリックします。「Manage Attachments」 > 「Send to Tablet」を押します。

そうすると左の列にある「Tablet Files」というコレクションに指定したアイテムが入っているのが分かります。

では、次にタブレット側からどんなpdfリーダーでも良いので、好きなものでTablet Settingsで指定したフォルダを開きます。私の場合はDocumentsというappを使っています。

iPad側で何か適当にテキストを書き込んでみます。すると先ほど指定したアイテムのファイルがTablet Files(modified)のコレクションに届きます。

このアイテムを右クリックして「Manage Attachments」から「Get from Tablet」を選択します。
するとタブレット用のフォルダからは消去され、元のライブラリファイルへ戻されて統合されます。

これがタブレットで読む場合の基本的な使い方です。

ちなみに、Zotfileを使っていると著者名と出版年さえわかれば、Zoteroの論文を入れるフォルダの方でも検索をかけることができるので、そこから直接編集したり読んだりすることはできると思います。私は基本的に読んで内容をまとめたい論文について著者名と出版年を適宜Goodnotesにメモるようにしているので(タイトルをメモるのは長くて大変だから)、直接フォルダにアクセスしても全然良いのかなと思ってます。

まとめ

以上が基本的なZoteroの使い方でした。

他の論文管理ソフトと比べても遜色ないですし、管理画面も基本的に簡素で見やすく、またメモ機能は非常に使いやすいと思います。Mendeley, Paperpileと使ってきましたが、Zoteroでやっぱり良い気がしますね。

今後Zoteroに関しては、research rabbitなどの外部ツールとの連携についてもみていきたいと思います。記事ができたらまた追加しますのでどうぞよろしくお願いいたします。

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